こんにちは!
今回はお薬と食品の相互作用の1回目ということで、
血液を固まりにくくするお薬の「ワーファリン」と
「ビタミンK」との相互作用についてお話します。
ワーファリンを服用されている方は「納豆」「クロレラ」「青汁」といった食品を
摂取しないように指導を受けているかと思います。
上記の食品中には「ビタミンK」が多く含まれています。
今回のお話ではワーファリンの効き方から、なぜビタミンKを多く含む食品を
摂取してはいけないのかということを順番に説明していきたいと思います。
①ワーファリンは体の中でどのように効くの?
人の体の中で血液が固まる時に、血液凝固因子と呼ばれる、
いくつかのタンパク質が関与することが知られています。
これらのタンパク質の合成が増えることで血液が固まりやすくなります。
体内では、この血液凝固因子を作るために「ビタミンK」が必要とされます。
ワーファリンは肝臓でこれらのビタミンK依存性の凝固因子の合成を阻害することで、
血液を固まりにくくしたり、血栓を作りにくくする効果があります。
②ワーファリン服用中にビタミンKをたくさん摂取するとどうなるの?
ワーファリンを服用している方がビタミンKをたくさん摂取すると、
体内のビタミンKの量が増えて活性状態となってしまします。
そうすると、本来ワーファリンを服用していた時に抑えられていた
血液凝固因子の合成が元に戻ってしまい、血液が固まりやすい状態になってしまいます。
③ワーファリン服用時に納豆やクロレラは摂取してはいけないの?
結論から言うと、少量でも摂取しない方が良いと言えます。
納豆やクロレラに含まれるビタミンKの量は他の食材と比べて、とても多いことが知られています。
さらに、納豆に含まれる納豆菌は人の腸内でビタミンKを産生することが知られています。
ワーファリン服用中に納豆100gを摂取すると、
血液の凝固能を示す検査値に3日以上も影響が出るといった報告もあります。
(市販の3パックセットは1パック50gほどです。)
また、健康な人に納豆を少量の10g摂取させたところ、体の中のビタミンK2の
濃度が2日間、2倍以上に上昇していたことも報告させれています。
以上のことからワーファリン内服中に「納豆」や「クロレラ」のようなビタミンKの
含有量が多い食品を摂取すると、薬の効果に大きな影響が出てしまうと考えられます。
※ワーファリン内服中の方でどうしても納豆が食べたい方もいるかと思います。
お薬の中にはワーファリンのように制限がないお薬も存在します。
どうしても摂取したい方は医師や薬剤師に相談してみてください。
今回は「ワーファリン」と「ビタミンK」の相互作用について
紹介しました。お薬と食品の相互作用は数多くあります。
次回も別のお薬でご紹介したいと思いますので、ご興味ある方は読んでみてください。