こんにちは!
今回は経口補水液についてのお話です。
現在タカノ薬局座間店では『OS-1』と『アクアソリタ』という
経口補水液を取り扱っています。
経口補水液を取り扱っています。
それら2種類の経口補水液についてご紹介させていただきます。
経口補水液の組成は海外のガイドラインで推奨組成として定められており、
以下の3つの条件が重要とされています。
①一定量以上の電解質(Na、K、Clなど)を含んでいること
脱水状態の時には水分と電解質が失われているため、
それらを補うための電解質を含んでいることが必要とされます。
脱水状態時に電解質濃度の低い飲料と摂取すると体液が薄まってしまい、
脱水がうまく改善されない場合があります。
②Naとブドウ糖の配合バランス(Naとブドウ糖のモル比が約1:1〜2)
水分の吸収は小腸・大腸で行われます。
小腸の表面にはNaーブドウ糖共輸送体(SGULT1)というものが存在し、
水分を体の中に取り込んでいます。この輸送体はNaとブドウ糖が一定の割合で
存在していると(Naとブドウ糖のモル比が約1:1〜2)この輸送体を介して
素早くブドウ糖と水分が体の中に吸収されることが知られています。
また、下痢がある時には炭水化物含量の高い飲み物を飲むと
下痢の期間が長くなったりすることがあります。
③浸透圧が体液よりも低いこと
水は浸透圧の低い方から高い方へ移動する性質を持ちます。
浸透圧が体液(285±5mOsm/L)よりも高い飲料では
水が体の方向へ行かないため、吸収速度が低下してしまいます。
そのため適切な浸透圧に調節された飲み物が脱水時には適していると言えます。
・海外ガイドラインにおける経口補水液の推奨組成
Na | K | Cl | 塩基 | 炭水化物(g/L) | 浸透圧(mOsm/L) | ||
海外ガイドライン | WHO(2002年) | 75 | 20 | 65 | 30 | 13.5 | 245 |
ESPGHAN(1992年) | 60 | 20 | 60 | 30 | 16 | 240 | |
AAP(1985) | 40-60 | 20 | 陰イオン添加 炭水化物とのNaのモル比は2:1を超えない |
海外のガイドラインでは上記のように経口補水液の推奨組成が定められています。
これを参考にして、一般飲料、経口補水液を比較してみます。
・各種製品の組成一覧
商品名 | 分類 | Na(mmol/L) | K(mmol/L) | 炭水化物(g/L) | 浸透圧(m Osm/L) | ブドウ糖 | Naとブドウ糖のモル濃度比 |
OSー1 | 特別用途食品 | 50 | 20 | 25 | 270 | 100 | 1;2 |
アクアソリタ | 一般食品 | 35 | 20 | 18 | 175 | 63 | 1;1.8 |
ポカリスエット | 一般食品 | 21 | 5 | 62 | 324 | ? | ? |
それぞれの製品を比べてみると・・・
電解質濃度が推奨濃度より低いこと、
炭水化物濃度、浸透圧が推奨濃度より高いことがわかります。
これよりポカリスエットについては脱水時の水分補給には
あまり向かないことがわかります。
・OS-1やアクアソリタについて
推奨電解質濃度に近く、浸透圧についても体液より低いことがわかります。
また、Naとブドウ糖の濃度比も推奨比に近く、水分補給効果が高いことがわかります。
・OS-1とアクアソリタの比較
Na濃度に違いがあることがわかります。
OS-1の方がガイドラインにおける推奨組成に近いため、脱水時や下痢時には、
OS-1による経口補水の方が向いていると考えられます。
アクアソリタは飲みやすいように味が工夫されていますので、
普段の水分補給時には補水効果が高く、飲みやすいアクアソリタを
選択するのもいいかと思います。
今回は経口補水液の概要とそれぞれの飲料、経口補水液の比較について
お話させていただきました。
経口補水液を買いたいけどどれを選んでいいかわからない・・・という方は
是非、薬剤師さんに相談してみてください!